重要性を増すビジネスパーソンの「文章力」 〜 経済評論家・山崎元のビジネス羅針盤経済関係記事をどうぞ

ビジネスパーソンにとって文章力の重要性は増しているように思われる。

かつて、パソコンの発達で紙のビジネス文書は減るかのように言われた時期があったが、実際には、ソフトウェアも含めたパソコンの発達によって文書作成の能率が向上し、オフィスの文書はむしろ増えた。また、E メールで仕事上の連絡を取る機会が増えて、メールにおける文章力も重要になっている。かつてメモを取りながら電話したような用件の多くが、E メールによるコミュニケーションで処理されるようになってきた。

正確かつ効果的に用件を伝える必要ばかりでなく、メールによる議論や大げさに言えば「戦い」に巻き込まれることもあって、文章力が目的を達したり、身を守ったりする武器としても重要な場合もある。メールの場合、CC(カーボン・コピー、「写し」のこと)を使って他人(多くの場合、会社の上司や幹部)に公開しながらやりとりをする場合があり、言わば公開討論の場に引きずり出されるようなケースもあるので、油断出来ない。

ビジネスにおける文書の重要性は今後も大きく減少することはないだろう。ビジネス上のある程度複雑な内容を短時間で伝えようとすると、よく書けた文書は、一覧性に優れているし、誤解の余地が少ないし、記録に残る。テレビ電話のような音声付き動画だと視聴するのに時間が掛かる点も不都合だ。

効果的で上手い文章の書き方があれば、先ず筆者自身が教えて欲しいくらいのものなのだが、今回は、ビジネスの場面での文章の書き方について、心得ておきたいことをまとめておこう。

● 心得その1、誤解のないように余さず書く

ビジネス文書の書き方で、第一に挙げるべき心得は、誤解が起こらないように必要なことを余さず全て書く、ということではないかと思う。

一般向けの「文章読本」のようなものでは、良い文章を書くための心得として、余計なことを書かずに簡潔な文章を書くことが推奨される場合が多いので、意外かも知れないが、損得が絡むビジネスの世界では、誤解や不足の無いように言葉を十分に補って「意味が一つ」になるように文章を書くことが重要だ。簡潔で、リズムのいい、読みやすい文章を、というのは、正確に意味を伝える文章を書けるようになった後に少しずつ目指すべき境地だろう。

パソコンの発達で、長くなっても文章が書きやすくなったし、プリンタで印刷するので、読む方も読みやすくなった。手書きの時代に較べると、文字数を増やすことに伴う負荷は減っている。まして、E メールや Web 上の文章であれば、字数の制限をあまり気にしなくていい場合が多い。

特に E メールでは、「メールは簡単でもいい」という先入観がある場合が多いのか、言葉足らずな文章を書く人が少なくない。通常は、字数が制限されないのだから、丁寧に言葉を尽くして説明しよう。

固有名詞は省略しない方が良いし、挨拶や注釈なども省略しない方が良い。また、意見を述べる場合は、根拠が分かるように書くべきだし、論理的な場合分けも意識して隙の無い文章を作るように心掛けたい。敬語も省略しない方が良い。

E メールで論理的で丁寧な文章を書くと、窮屈だと思う場合があるかも知れないが、この点については、改行を頻繁に入れて、段落の間を1行空けるなど、レイアウトを目に優しくすると、堅苦しさが緩和される。ビジネスの場合、文末は話し言葉調ではない方がいいが、読み手が目の前にいて、この相手に向かって、言葉で物事を説明している積もりで書くと、不自然さの少ない文章が書ける場合が多い。

● 心得その2、語彙を読み手に合わせる

ビジネスの文章は、企画書であれば読み手にアイデアに共感して貰って仕事が前に進むようなものを書きたいし、転職の応募の際に送る「職務経歴書」の場合も、やはり読み手が「この候補者なら会ってみたい」と思って、面接に呼んでくれるような文書を書きたい。

この場合に重要なのは、相手にとって違和感が無くて、頭の中に入って行き易い言葉を使うことだ。外来語や専門用語は、相手にとって十分に馴染みのある単語なら使っても良いが、「意味は何とか分かるけれども、日頃殆ど耳にしない」というレベルの単語が文中に幾つも出てくると、読み手は文章及び文章の書き手に対して親近感を覚えにくくなってしまう。逆に、相手によっては、幼稚な言葉が混じってしまって、違和感を感じられたりする場合もあるし、専門用語が出てくると安心する場合もある。

典型的な失敗例としてはは、外資系企業の社員や商社マンなどがやりがちな、外来語が多すぎる文章をイメージするといいだろう。一般に、専門分野の話や難しい話を分かりやすく話してくれる人は「頭が良い」といわれることが多いが、こういう人は、物事を良く理解して要点を論理的に話してくれるし、同時に、相手の理解しやすい単語や言い回しで話すことが自然に出来る人である場合が多い。

自分がこれから書く文章は、誰に読んで貰う文章で、その場合、相手の心に入って行き易い語彙はどのようなものだろうか、ということを想像しながら文章を書くといい。

● 心得その3、文章は「削って」修正する

企画書、稟議書の類でも、あるいは E メールでも、書き上がった文章は必ず読み直して、誤りがないことの確認はもちろん、改善できる点が無いか探してみるべきだ。

この際、無くても意味が通じるつなぎの言葉や、修飾語、あるいは、「・・・と思う」や「・・・と考える」、「・・・だろう」といった文意を弱める語尾などをなるべく削除すると、引き締まったインパクトの強い文章になりやすい。また、「一文一文は短い方がいい」といった、文章読本的な定石を活かすのもこの段階の作業だ。

拙い例で恐縮だが、筆者の場合は、以下のようなプロセスで文章を書く。

先ず、大まかな構成をメモ紙に書いてみる。この際、「マインド・マップ」ほど細かく項目どうしを関連づけなくてもいいが、主題を中央に書き、扱うトピックと重要単語をその周辺に時計の数字のように配置して書くと、何を語ろうとするのかが一覧できて、相互の関係を考えやすい。扱うトピックが一通りリストアップできたら、ボールペンの色を変えて文章で取り上げる順番の番号を振っておくと、大体の構成が出来上がる。

次に、パソコンに向かって、先に作った構成に従って文章を埋めていくのだが、この際は、誰か対話の相手を想定して、この相手に物事を説明するような積もりで、文章を書いていく。

日本の財政赤字についてでも、女性のライフプランについてでも、通常はどんなテーマでも、触れるべき複数のトピックがある。それぞれの関係が分かるように、「だが」とか「しかし」とか「加えて」とか「さらに」といった接続関係を表す言葉を使いながら書き進めていくし、個々の論旨に対する自分の自信の程度や、トピックの重要性に応じて、「・・・に違いない」とか「・・・と思う」とか「・・・にちがいない」といった言葉を文末に付けながら説明を進めることになる。

また、たとえば「重要だ」という言葉にも、強調の度合いなどに応じて、「大変」とか「言うまでもなく」とか「やや」といった修飾語が付いていることが多い。

ところが、話す場合だと、こうしたニュアンスや強弱をコントロールする言葉が多数出てきても、そう不自然でない場合が多いが、文章にして読み返すと冗長だと感じる場合が多い。そこで、「削っても意味が変わらずに伝わる場合は削る」という方針の下で、この種の言葉を削っていくと、書き言葉らしい文章になる場合が多い。

ついでに、文を短く区切ることが出来る場合には、一文が短くなるように書き換えを行うこともある。筆者は、もともとの話し言葉の一文が長い傾向があるので、書いたままの文章では、なかなかすっきりとしたものにならない場合が多い。率直に言って、筆者の場合、名文への道は限りなく遠いのだが、パソコンで書いた文章は修正がしやすいので助かっている。

● 心得その4、人に読まれる文章を書く

文章にあっても、経験と練習が重要だ。数をこなすと文章はだんだん上手くなるし、少なくとも、同様の文章を書くのに要する時間は短縮される。日頃からたくさんの文章を書かなければならないビジネスパーソンは、仕事が同時に文章の練習になるが、文章を書く機会が必ずしも多くない人の場合は、意図的に文章を書く機会を増やす工夫が要る。

この場合に大切なことは、他人に読まれることを前提とした文章を書くことだ。私的な日記や、何らかのテーマに関する研究レポートのようなものを密かに書きためて文章の練習になる場合もあるが、ビジネスのための文章を上手く書けるようになることを目指すなら、読み手を意識した文章を継続的に書くことが大事だ。

これからのオフィスでは、E メールを使って上司が部下の文章経験の相手になるようなことも考えられるべきかも知れないが、丁度良い相手がいない場合は、ブログを書くと、読み手を意識するし、コメントなどの形で読み手からの反応もあるので、かなり条件を満たす文章練習が出来るだろう。

● 心得番外、外国語でもきちんと書く

多くの企業、そして仕事がグローバル化しつつある今日、外国語を使うコミュニケーションの機会が増えている。だが、英会話が上手い人はだんだん増えてきたが、ビジネスで通用する書き言葉の英語を十分使える人は、外資系の会社を含めて眺めてみても、案外多くない。

英文の書き方については、用件が正確に伝えられれば、そんなに神経質になる必要はないという意見も一方にあるが、きちんとした英文が書けることのコミュニケーション上の効果は小さくない。

会話の練習だけでなく、作文のトレーニングも有効な投資になるはずだと最後に付記しておく。

【筆者紹介】
山崎 元(やまざき はじめ):経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員。58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。

※この記事は、リクルートエージェントのウェブサイト「ビジネス羅針盤」に掲載された内容をjapan.internet.com 編集部が再編集したものです。リクルートエージェントの転職支援サービスについては http://www.r-agent.co.jp/ をご覧ください。


(この記事はインターネット(japan.internet.com)から引用させて頂きました)

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【英国】2011年の住宅販売戸数、11%減経済関係記事をどうぞ

 歳入関税庁(HMRC)は24日、2011年の住宅販売戸数(新築・中古住宅)が前年比11%減の86万9,000戸だったと発表した。住宅ローン審査の厳格化や失業率の悪化が背景にあるとみられる。

 HMRCの統計は、1戸当たりの価格が4万ポンド以上の住宅の販売戸数を集計したもの。年間の販売戸数は、経済危機直後の2009年に84万8,000戸と、1978年の統計開始以来、最低を記録。2010年はやや持ち直したものの、昨年は再びマイナスに転じた形だ。経済危機前の2007年と比べると約半分の水準にとどまっている。

 住宅金融貸付組合(CML)が23日に発表した予想によると、住宅ローンの承認件数は今年さらに落ち込むとみられる。住宅市場には引き続き逆風が吹きそうだ。
(この記事は海外総合(NNA)から引用させて頂きました)

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東アジア調査へ拠点 国際教養大がセンター開設 秋田経済関係記事をどうぞ

 公立国際教養大学(秋田市)は24日、学内に東アジアとの交流拡大や県経済界へのコンサルティングを目的にした「東アジア調査研究センター」を開設した。4月から本格始動し、「行動するシンクタンク」として、2、3年で成果を挙げたいとしている。

 同センターのスタッフは11人体制。中嶋嶺雄学長がセンター長を兼ね、専任教授は副センター長の浜本良一元読売新聞中国総局長と梅原克彦元仙台市長。兼任は特任教授に柴田澄雄元三菱商事取締役と竹村豊元双日モスクワ駐在員事務所長を起用するなど、ロシアや台湾、韓国などを専門とする8人を充てている。

 2月に新年度からの具体的な行動計画を決め、3月には専任と特任の教授4人が担当する国、地域を巡り、人脈のネットワークの再構築を図る。また、知事など県や自治体関係者が中国やアジアに訪問する際にブレーンとして同行することが決まっている。

 中嶋学長は、当面のテーマとして「ソウル便や台湾便で持続的な就航や定期就航に向け、ノウハウを提供したい」と述べる一方、「世界はものすごい勢いで変わっている。2、3年で具体的な成果を出したい」と迅速性を強調した。
(この記事は秋田(産経新聞)から引用させて頂きました)

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